朽木祥著『八月の光』を読んで、広島で直接の被爆体験はなくても、それを文字にして語りかけることで次の世代に繋いで行ける著者の力に深い感動を覚えました。過去のことではなく、今生きている人たち、未来に生きる人たちへのメッセージがしっかり伝わります。
『たそかれ』も河童の八寸が出て来ます。目の前で人が亡くなったとき、助けてあげられなかった自分を責めるのではなく、その人に助けてもらったから自分が生きられたと考える、という一節があり、自分自身をずっと責め続けている多くの人たちに伝えたいと思いました。
朽木祥著『オン・ザ・ライン』もぜひ。
『八月の光』は、原爆の悲惨さを伝える今までの物語とは違った印象を受けました。それが何かというと、戦争を直接体験した人たちの話ではなく、次世代を生きる著者の言葉だからなのかなと。経験していないことを伝えるためには想像力が必要です。若い世代に伝えていくために、想像することをやめてはいけないなと感じます。
「おはっすん」追記:読書会で話したのは、京料理などの献立。広島県の郷土料理は、里芋、人参、こんにゃく、椎茸などの煮物で、法事の時などに作る料理です。実家ではお精進で、蓋の付いた八寸の器(漆器だったり、皿だったり)に入れて供していました。
朽木祥の作品を読むと、出てくる詩、物語、絵、戯曲などを調べたくなります。『かはたれ』ではキーツの『ギリシャの壺に寄せる詩』、『ロミオとジュリエット』などを読み直しました。一つの作品が他の作品へと誘う…次はどんな作品が生まれてくるのか、楽しみな作家ですね。
「おはっすん」のことは、『かはたれ』で一番印象に残った話でした。
こんな話ができるのはまさに読書会の醍醐味。
一つの作品から次の作品へつながっていく、そんな作品がもっと増えていくといいですね。
『たそかれ』も河童の八寸が出て来ます。目の前で人が亡くなったとき、助けてあげられなかった自分を責めるのではなく、その人に助けてもらったから自分が生きられたと考える、という一節があり、自分自身をずっと責め続けている多くの人たちに伝えたいと思いました。
朽木祥著『オン・ザ・ライン』もぜひ。