世界のバリアフリー絵本展NEWS
これまでにも4回開催し、今年も開館15周年記念事業として9月13日から28日まで開催予定の「世界のバリアフリー絵本展」その実行委員長をずっと務めていらっしゃる撹上久子さんからうれしいニュースが届きました。
6月2日 明治記念館で第61回産経児童出版文化賞(産経新聞社主催、フジテレビジョン、ニッポン放送後援、JR7社協賛)の贈賞式が行われました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140603/art14060309260005-n1.htm
★ 大賞は 見える子と見えない子が一緒に楽しめる『さわるめいろ』(小学館)。
こうした図書が大賞を受賞したこと、日本の出版界の歴史に残る快挙です。
産経新聞社の熊坂隆光社長のあいさつ「点字付き絵本の普及という志を共にする出版各分野の方々が、タッグを組んで取り組まれた成果に心より敬意を表します。
児童書出版社の名編集者たちが個々の益や葛藤を超えて、まさに「タッグを組んで」辛抱強く活動を積み上げてきた<点字つき絵本の出版と普及を考える会>
この会の10周年を記念して、昨年偕成社 ・こぐま社・小学館・福音館書店が、点字つきさわる絵本を4冊を刊行しました。この絵本はその1冊です。
http://www.bf-ehon.net/archives/630
http://www.bf-ehon.net/archives/792
<点字つき絵本の出版と普及を考える会>の誕生は、実はバリアフリー絵本展と無関係ではありませんでした。2002年3月末JBBY主催の国際子どもの本の日のイベントで、岩田美津子さんとJBBYは「バリアフリー絵本の部屋」の企画で、日本で初めて国内のバリアフリー図書を集めた展示会を実施しました。
この<点字つき絵本の出版と普及を考える会>の構想は、この準備の中で、岩田さんとこぐま社の関谷さん(『チョキチョキチョッキン』の編集者)たちとの思いが重なって生まれたと私は当時の記憶をたどるとそんなふうに思い出します。
イベントの翌日、2002年4月1日、小学館の会議室でこの会は産声を上げました。それから12年。小学館は年2回の会議開催に会場提供を欠かさず続けてくださいました。こぐま社の佐藤社長さんはいつも温かい眼差しをこの会と岩田さんのがんばりに注いでくださってきました。
この会が作ってきた図書は、大阪のてんやく絵本ふれあい文庫 岩田美津子さんの強い願い「見えないお母さんが見えるお母さんと同じように、見える子に絵本を読んであげたい。点字付きの絵本が普通の本屋さんで買えるようになってほしい」この願いを一つの実現の方向にしてきました。
こうした図書の歩みは日本だけが成し得てきたことだと思います。
この大賞を取られた図書『さわるめいろ』は、さらに子どもたちに共に生きる空間と時間を提供できる力があります。作者の村山さんの素敵なセンスが生み出したものでしょう。
ジャバラ折での製本や印刷面での技術協力のユニバーサルデザイン絵本センターのみなさん、点字つき絵本の店頭販売で、普通の書店で買えるようにという岩田さんの願いを実現してきたジュンク堂の市川さんや教文館の皆さんのお力
みんなで万歳です!
それでも、まだまだ、点字つきさわる絵本の分野だけでも、あゆみをとめることなく、進んでいっていただきたい課題がたくさんあります。見えない子どもたち自身が読む本としては、課題は大きいものがあります。
がんばれ!<点字つき絵本の出版と普及を考える会>
★また第61回産経児童出版文化賞では、更にみなさんに喜んでいただきたい受賞がありました。
翻訳作品賞『わたしのすてきなたびする目』 ジェニー・スー・コステキ=ショー作、美馬しょうこ訳(偕成社)
これは世界のバリアフリー絵本展2009の展示本からの翻訳です。
http://www.bf-ehon.net/archives/731
世界のバリアフリー絵本展のカタログの翻訳や未訳本試訳でもご協力いただいている美馬しょうこさんの受賞は、本当に嬉しいことでした。
おめでとう!美馬さん!贈賞式での美馬さん、とても素敵でした。
世界のバリアフリー絵本展 撹上久子
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